『京都おさんぽ#110』和音より徒歩30秒!猫寺のご紹介です!


今年はまだ降雪のない京都。

雪国の方にいうと怒られそうですが

たまに振ってくれる雪をかぶった街並は

風情があります。

  
さて今回は猫寺(称念寺)をご紹介します。

当ゲストハウスより最も近い(徒歩30秒)

にも関わらず今回初めての登場となります。

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『称念寺』

浄土宗知恩院派の寺。

建立は江戸時代が始まって間もない1606(慶長11)年、

松平信吉公(徳川家康公の義兄弟)による。

寺紋はかの有名な三ツ葉葵。

徳川家康が征夷大将軍となった頃から

使用を制限し出したこの葵紋を使用しているのは

結構貴重なことかもしれませんね。

  
建立当初は現在の茨城県は土浦城主であった

松平信吉公の帰依を受け、

当時三百石の寺領を得て寺は栄えました。

しかし松平信吉公が没すると次第に松平家と疎遠となり、

いつしか三百石の寺領も途絶えてしまいます。

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こうして次第に寺観が衰えていった称念寺ですが、

ここで通称『猫寺』の由来が出てきます。

三代目住職の還誉上人は大変な猫好きで

当時可愛い猫を飼っていました。

日々は托鉢による喜捨に頼るものでしたが

和尚は猫を可愛がり決して手放さなかったそうです。

  
そうしたある日、いつものように托鉢を終え

疲れた身体で帰ってきた和尚は

信じられない光景を眼前にします。

絶世の美女が月明かりを浴びながら

優美に舞を舞っているではないですか。

そして本堂の障子には、

その月光により後姿が愛猫の影として

映し出されていました。

  
愛猫の化身と思った和尚は

『こんなに自分は苦労しているのに

呑気に踊っているとは何事だ!』と大変立腹し、

なんとそのあと愛猫を追い出してしまいます。。。

  
これを知った時

愛犬を飼っている私としては

なんとも切ない気分にさせられました。

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追い出してしまったものですから

再び現れることは考えにくいものです。

しかし数日後、またまた信じられないことが

起こります。

  
夜和尚が寝ていると、

なんと愛猫が枕元に立ち

「明日、寺を訪れる武士を丁重にもてなせば寺は再び隆盛する」

と告げたそうです。

そして翌朝、お告げ通りに松平家の武士が訪れます。

丁重にもてなしたのち、その武士が言うには

亡くなった姫がこの寺に葬ってくれるよう

遺言したとのこと。

以後松平家と復縁した寺は以前にも増して栄えたそうです。

  
ハッピーエンドと言っていいのかわかりませんが

私は愛猫がお世話になった恩を忘れずに

こうしてお寺の復興を助けた心に胸打たれました。

またお寺の盛衰も人生と一緒で山あり谷ありですね。

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訪れた日、私がお寺に入ると最初は

正面の本堂が目に入ったのですが、

ふとした時に横にすーっと伸びる松に気づきました。

  
なんでもこの老松、和尚が愛猫を偲んで

植えたと伝えられるものだそうです。

一本の太い枝が地面と平行に20メートルにも及び、

横にのびた姿は猫が伏した姿を表わすといい、

『猫松』とも呼ばれています。

ご覧のように今でも支えの木と共に

青々とした枝を見せてくれています。

  
称念寺は動物供養を行っています。

墓地には動物合同供養塔もあります。

こうして動物の霊位を手厚く供養している猫寺に

お散歩がてらお越しになってはいかがでしょうか。

  
今回も最後までお読みいただき

ありがとうございます!!

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